くずし字が読めない?初心者が読めるようになるたった一つのコツ!

初心者向け。くずし字が読めるようになるたった一つのコツ
お悩みひつじ

くずし字読んでみたいけど難しそう~。読めるまでにすごく時間がかかりそうな感じ……

そう思って、興味はあってもくずし字を敬遠していませんか?

この記事では、初心者の方がくずし字を読むためのたった1つのコツをお教えします。

正直なところ、様々な古文書を読みこなすとなると、時間も労力もかなりかかります。

けれど、江戸時代後期の庶民が楽しんだ草双紙(コミックやライトノベルのようなもの)や、浮世絵にちょこっと書かれた言葉などは、初心者の方でも案外早く読めるようになるものです(私がそうでした)。

この記事を読み終わるころには、くずし字への苦手意識がなくなって新たな扉が開かれるでしょう◎

目次

《完全初心者向け》くずし字が読めるようになるたった1つのコツ

くずし字は、行書・草書体をくずし書きにしたもの。いわゆる「みみずが這ったような」なんていわれる文字のことです。

歴史に興味のある方は目にしたこともあると思いますが、同じ日本語なのに暗号のように難しく思えますよね。

しかし、初心者でもたった一つのコツで、簡単なものなら今すぐ読めるようになります。

お悩みひつじ

ええ~~まさか。うそだよ、そんな簡単に??

いえいえ、ほんとです。

そのコツとは、「頻出する仮名をいくつか覚えてしまう」というものです。

【実践】浮世絵を読んでみよう!

では実際に、くずし字を読んでみましょう!

紙とペンをご用意ください。チラシの裏でもメモ帳でもなんでもいいです。

タイトルにチャレンジ

下記の歌川国芳の絵をご覧ください。有名な絵なので、ご存知の方もいらっしゃるでしょう。

国芳の浮世絵を読んでみよう
▲江戸時代後期に活躍した画工、歌川国芳の絵(東京富士美術館蔵より)

人がいっぱい集まって人の顔を作っているという奇妙で面白い絵にまず目がいきますが、絵の周りにタイトルや文字が添えられていますよね。

まずは、タイトル部分を読んでみましょう。

国芳の浮世絵を読んでみよう
タイトルはこれです

んん~~?読める字もあるけれど、なんだか読めそうで読めない字がありますね。

まずは読める文字だけ書いて、分からない字は〇で空けておきましょう。

できましたか?

おそらく皆さんの紙には、

「み〇け〇こ〇〇〇 とん〇い〇人〇」

と、書かれているのではないでしょうか。

この〇の読めない部分、実は頻出文字です。これをまず覚えましょう。

頻出くずし字

なんと、「う」みたいな字は「か(元の字は可)」なんですよね。

もう「う」っぽい字をみたら「か」を疑えという感じ。でもほんとに「う」の場合もあります(笑)

「い」の後に、にょろりと出ているのは、同じ字の繰り返しをあらわす「踊り字」ですね。

そしてややこしいのが「さ」みたいな字。これは「た」と読むのです。「多」が元の字になっているのですが、慣れるまで「さ」とまぎらわしいですよね。濁点がついているので、ここでは「だ」になります。

さあ、では、上記を覚えてもう一度トライしてみましょう。

国芳の浮世絵を読んでみよう

どうですか?

読めましたか?

お悩みひつじ

読めた……!読めたよ!!

よかったです!

念のため、正解はこうなります。

みかけはこはいが とんだいい人だ(見かけは怖いが とんだいい人だ)

お悩みひつじ

なるほど、そういうタイトルだったのか~~

どうです? タイトルが分かると、浮世絵を見てももっと楽しくなってきますよね!

その他の文字も読んでみよう

この勢いで、他の文字も読んでしまいましょう。

国芳の浮世絵を読んでみよう

では、紙に分かるところを書いて、分からないところは〇で空けていきましょう。

先程出てきたばかりの文字がありましたね。しかし、新たに不明な文字も出てきました。

下記に貼っておきますので、同じく覚えてください。

頻出するくずし字

「て」はなんとなく分からない気もしなくはないという感じ。元は「天」という字からきています。

問題は「こと」ですね。これは合字といって、二文字以上の文字を一つ字で表したものです。

特にこの「こと」と、それから「ゟ(より)」はよく出てきます。ぜひ覚えておきましょう。

「に」は「丹」という字が元になっています。「も」は「毛」「ら」は「良」という字が元。「な」は「奈」が元ですね。それぞれ言われてみれば、なんとなくそう見えて来るかも?

では、上記を覚えた後で、再び読んでみましょう。

国芳の浮世絵を読んでみよう

どうですか?読めましたか?

お悩みひつじ

すごい、全部読めた!読めたよ!!!

それは何よりでした!

念のため、正解はこの記事の一番下に書いておきますのでチェックしてみてくださいね。

もしちょっと時間がかかってしまった、という人も、何度も本文を眺めているうちに、じわじわ~~っと読めるようになってくるはずです。本文と、文字の説明とを、何回か繰り返して見てみてくださいね。

最初は難しくてさっぱりだと思っていたくずし字ですが、どうでしょうか。ちょっと読めたことに感動していませんか?

まとめ:くずし字が読めると歴史や浮世絵がもっと楽しくなる!

よく出る文字を覚えるだけで、少しずつ読めていくくずし字の世界。

くずし字が読めるようになると、今回紹介したような浮世絵に書かれた文字や、庶民が楽しんだ娯楽本なども、直接読めるようになります。

それはまるで、今まで通訳を通しての会話だったのが、直接過去の人々に「ハロー」と言葉を交わせるような気分。

もし、ちょっとくずし字を読んでみたいな、と思った方は、下記に「古文書読解のためのロードマップ」というまとめ記事がありますのでご覧ください。くずし字や古文書についての簡単な基礎知識や、入門書、独学法からおすすめの通信講座なども紹介しています。

関連記事

今回の記事が、少しでもあなたのくずし字や歴史への学びの参考になっていればうれしいです。

それではまた次の記事でお会いしましょう!

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▼本文解答はこちら▼

「みかけハこハゐがとんだいゝ人だ」(歌川国芳/弘化4-嘉永5年(1847-52)頃、木版多色刷 大判錦絵)

「大ぜいの人が よつて たかつて とふと いい人を こしらへた とかく人のことは 人にしてもらはねば いい人にはならぬ」

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