【初心者向け】浮世絵の魅力を知るためのロードマップ

浮世絵を楽しむためのロードマップ
お悩みひつじ

浮世絵に興味があるけど、もっと鑑賞ポイントとか詳しく知りたいな~

浮世絵って気になるけど、美術館などで「へ~」と見てそれっきりになっていませんか?

浮世絵を楽しみたい、もっとよく知りたいというあなたへ。

当記事では、浮世絵にも流行があったり、有名な絵師について、木版摺りの技術についてなど、知っておくともっと浮世絵が楽しくなるポイントを紹介します。

江戸時代の人々が何に夢中になったのか、どんな面白さが込められているのか。

知れば知るほど、ワクワクする浮世絵の世界をのぞいてみましょう!

さらに詳しく知りたい方は、詳細記事を各ポイントごとに紹介していますのでそちらへ飛んでみてくださいね。

目次

【初心者向け】浮世絵の魅力を知るとこんなに楽しい!

浮世絵は江戸時代に花開いた、日本独自の絵画です。

季節の草花といった自然はもちろん、当時流行の役者や遊女、人気の茶屋娘などをモデルにして、数多くの絵が描かれました。

肉筆の浮世絵もありますが、基本的に「浮世絵」といった場合は木版で摺られた絵を指します。

江戸時代初期はモノクロメインでしたが、中期頃から技術の革新と共に鮮やかな色をつけることが多くなりました。

皆さんが「浮世絵」と聞いてパッと思い浮かべるのは、江戸時代中期から後期・幕末にかけての、多色刷りの華やかな浮世絵でしょう。

現代の私たちが、アニメや漫画のイラストを楽しむように、江戸時代の人々も大衆向けのポップアートである浮世絵に夢中になっていたのです。

家に飾って楽しむカレンダーとして、人気役者のブロマイドとして、旅先の情景を伝えるグラビアとして、様々な用途で作られ親しまれてきた浮世絵たち。

浮世絵を知れば、江戸時代の人々がどんな暮らしをして、何を楽しんでいたかもおのずと分かってきますよ。

昔の人々の暮らしや考え方に触れることで、新たな発見につながることも。

浮世絵を楽しむということは、絵そのものだけでなく、実は広い世界へとつながっているのです。

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浮世絵を楽しむための3つのコツ

浮世絵を楽しむためのコツはいろいろありますが、当記事では大きく3つにまとめてみました。

  • 時代による流行の作風を知る
  • それぞれの絵師を深く知る
  • 職人技が光る、木版技術を知る

一つずつ見ていきましょう。

時代による流行のタッチを知る

江戸時代といっても約270年の長きにわたります。

初期と幕末では、生活事情も技術も人の好みも変化しています。

浮世絵もまた、技術の進歩や絵師たちの活躍によって発展しました。

江戸時代初期にはモノクロが主流だった浮世絵も、江戸時代の中期に鈴木春信がお金持ちのパトロンをバックに作った錦絵から多色刷りが誕生。

大首絵(人物のバストアップ画)の喜多川歌麿、役者の顔を大胆にデフォルメした東洲斎写楽などが登場すると、江戸後期には、かぎ爪のような波しぶきを描いた葛飾北斎、東海道の名所でヒットした歌川広重、さらに猫好きの歌川国芳といった絵師たちが活躍しました。

「浮世絵」と一言でいっても、しなやかな十二頭身美人が一世を風靡したり、えぐいほど退廃的な美女画が流行ったりと、作風、タッチも時代によってさまざま。

現代のアニメにもその作風に時代ごとの変化があるように、江戸時代の浮世絵もその時々の流行を如実に表しています。人物の着物や髪型にも要注目です。

時代ごとの絵の特徴が分かってくると、なお一層、浮世絵を見る目が養われていくでしょう。

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浮世絵の時代によるタッチを知ろう

それぞれの絵師を深く知る

浮世絵の楽しみ方は色々とありますが、やはり自分の好みの作者を見つけるというのは王道ですよね。

菱川師宣、鈴木春信、喜多川歌麿、東洲斎写楽、葛飾北斎、歌川広重、歌川国芳、月岡芳年…。

有名どころだけでなく、芝居絵を専門とした鳥居清信、十二頭身美人を描いた鳥文斎栄之、北斎の師匠・勝川春章、多数の弟子を抱え売れっ子だった歌川豊国、国芳の兄弟子・歌川国貞…、いやいやもっともっと…なんて挙げだすとキリがありませんが、それぞれの画工について深く知っていくことでさらに見えて来るものもあります。

画工一人ひとりのプロフィールを知ると、さらに一枚の絵を眺める目も変わってきますよ。

画工については下記の記事をご覧ください。

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著名な浮世絵師を紹介

職人技が光る、木版技術を知る

浮世絵には肉筆画もありますが、やはり木版を彫って摺ったものが基本でしょう。

元の絵を描く画工に注目が集まりがちですが、いやいや、彫師や摺師たちの職人技の凄さときたら!

1ミリの幅に4本の髪の毛が彫られていたり、巧みなグラデーションがほどこされていたり…。

こういった職人たちの技術も含めて、味わってこそ浮世絵を楽しむことができるといえます。

しかし残念ながら、印刷された本やネットの画像などでは、その細かな部分を知ることは難しい。

そこで、やはりなるべく美術館や博物館で催される浮世絵の展覧会で、実物をじっくり見るということが大切になってきます。

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浮世絵が作られる工程について

美術館や博物館で浮世絵を楽しむために

美術館や博物館での浮世絵鑑賞が、もっと楽しくなるポイントをお知らせします。

これがあればなお楽しめる持ち物

まずは持ち物リスト。なくてもかまわないのですが、あればよりよいというおすすめのグッズです。

  • メモ帳
  • 単眼鏡
  • チケットケース(クリアファイルなど)
  • 100円玉

気になった絵師の名前や絵のタイトルは、備忘録として書き留めておくと後でゆっくり調べられますし、展覧会に行った記録にもなります。

しかしながら、館内ではペンやシャーペンの使用が禁止の場合が多いです。これはインクや折れた芯で、絵を汚してしまう可能性があるからです。

基本的に、筆記用具として持ち込めるのは鉛筆となりますが、ケースバイケースで鉛筆も持ち込み不可な場合もあるため、念を入れて受付で確認をとったほうがいいでしょう。

館内でメモ書きが出来ない場合は、館外に出てからメモを取るようにしましょう。

そのほか詳しい説明は下記の記事で行なっています。合わせてご覧ください。

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美術館、博物館で浮世絵を楽しむ際の注意点

姿勢を変えて眺めてみよう

実は浮世絵は実物を見なければ分からない、細かな技法がたくさん施されています。

これが浮世絵の醍醐味といってもいいくらいなのに、美術館や博物館ではガラスケースの中に入っているのでなかなか分かりづらい。

そんなときは、周囲の人の迷惑にならない範囲で、軽くしゃがんで見上げて見たり、横から眺めてみたりしてください。

髪の毛一本一本を彫りあげる超絶技巧の彫り師の技から、「きめ出し」、「一文字ぼかし」、「あてなぼかし」などと呼ばれるグラデーションや凹凸をつける摺り師のテクニックに、思わず息を飲んでしまうことでしょう。

浮世絵の木版画技法については下記の記事をご覧ください。

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驚愕必至!職人技が光る浮世絵の技法について

サインを眺めてみよう

浮世絵には絵師のサインが入っているものが多くあります。

このサインを見ることで、その絵が描かれた年代が分かるなど重要な手掛かりになります。

また、絵師だけでなく彫り師のサインが入っていることも。これはそれだけ彫り師のテクニックが高く評価されていた証でしょう。

ほかにも、出版元の責任の所在を表す版元の印や、「改印(あらためいん)」といって校閲の印で押された印もあります。改印は時期によっても変化しているので、これも浮世絵の出版時期を見る重要な手がかりになります。

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浮世絵のサインを眺めてみよう

浮世絵に書かれた文字を読んでみよう

浮世絵には、作品のタイトルやシリーズ名が書かれていることも多いです。

また、コマ絵と呼ばれるちょっとした解説のような文章が付されていることも。

この部分は判じ物(クイズ)になっていることもあり、じっくり見てみるととても面白いですよ。

文章はくずし字で書かれていますので、くずし字になれていなければ難しいかもしれません。

しかし、浮世絵にちょこっと書かれたものなら、わりと早く読めるようになりますよ。

くずし字にご興味がある方は、ぜひ下記もご覧ください。歌川国芳の絵のタイトルや、書いてある文章を実際に読んでみようという内容です。

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もっと深く浮世絵を知りたい方に

もっと詳しく浮世絵を知りたいという方へ。

初心者にもやさしい浮世絵について書かれた本や通信講座をご紹介します。

浮世絵を学ぶおすすめの本

浮世絵について書かれた本はたくさんあります。

一人の絵師を深く取り上げたものから、たくさんの浮世絵をビジュアル的に楽しめるものまで。

しかし、これから浮世絵に触れてみようという方は、まずは全体像をつかんでから、好みの絵にターゲットをしぼっていくのが良いのではないでしょうか。

なぜなら、一人の絵師を深堀りする際も、その絵師の系統や時代の流れなどがある程度わかっていたほうがいいからです。

そういった点でおすすめしたいのは下記の本です。

『面白いほどよくわかる浮世絵入門』深光富士夫著(河出書房新社)

そのほか、おすすめの浮世絵解説書については下記の記事をご覧ください。

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初心者におすすめの浮世絵の本

浮世絵のイロハが学べる通信講座もあり

浮世絵の奥深い魅力を、家にいながらにして学べる通信講座もあります。

この講座のすごいところは、和紙に原寸大で複製された有名絵師の作品がついてくること。

有名絵師とは、葛飾北斎、歌川広重、東洲斎写楽、喜多川歌麿、鈴木春信などなど。

線の太さや色のコントラストなど、実際に手にとってじっくり眺めることができるというのは、またとない教材ですね。

解説ブックと共に、浮世絵を隅から隅までじっくりと味わえるユニークな講座です。

こんな講座があったのか、と私もびっくりしました。

ご興味ある方は下記のユーキャン公式サイトを覗いてみてください。

ユーキャン『浮世絵入門講座』

小波

ほかにもユーキャンには『古文書入門講座』や『古地図で楽しむ江戸・東京講座』といった、歴史好き、江戸好きにはたまらない講座がたくさんありますよ◎

まとめ:浮世絵にまつわる知識を深めてもっと楽しもう!

以上、浮世絵を楽しむためのロードマップの紹介でした。

江戸時代、庶民がこぞって楽しんだ日本が誇るポップアート、浮世絵。

現代でも日本のマンガやアニメが世界から注目を集めていますが、その先達は浮世絵からだったのかもしれません。

温故知新の言葉のとおり、浮世絵を知ることできっとあなたの新しい扉が開くでしょう。

この記事が、少しでもあなたの役に立てば幸いです。

それではまた、次の記事でお会いしましょう!

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